「誰にでも届けたい」を手放すと、何が変わるんでしょう — ニッチ Newsletter の読者設計を考えてみます

副業と小さな仕事

最近、個人の Newsletter まわりを読んでいると、「読者は少しずつ増えているのに、なんか手応えがない」という話をよく見かけるようになりました。

気になります。

自分が今から Newsletter を始めるとしても、「まず広く届けよう」と考えてしまいそうです。でも、それって本当に正しい出発点なのか、いまいちしっくり来ていません。

この記事は、その「もやもや」を整理するための作業メモのようなものです。ニッチに絞り込む読者ペルソナ設計を起点に、試す前の段階で書きながら考えていきます。


「広く届けよう」とすると、何が起きるんでしょう

よく聞くパターンとして、こういう流れがあるようです。

  • テーマを広くして「誰でも読める Newsletter」を目指す
  • 話題が発散して、自分でも「何を届けているのか」が曖昧になる
  • 読者は増えないし、増えても開封してくれない

思い当たる方も多いかもしれません。

書きながら整理していて気づいたのですが、「広く届けたい」という気持ちの裏には、「絞り込んだら読者が減る」という恐怖 があるような気がします。でも実際には、絞り込むことで「まさに自分のための Newsletter だ」と感じる人が現れやすくなる、という話をよく目にします。

ここ、意外と大事そうです。

「広さ」は大手メディアに任せて、個人は「深さ」で勝負する。言葉にすると当たり前に見えるのですが、いざ自分が書き手になると、どうしても「でも…」と考えてしまいますよね。


Flat lay of colorful pens, markers, and a notepad on a wooden surface with copy space.

ニッチ読者ペルソナって、どう決めるんでしょう

「ペルソナを決めましょう」とはよく言われます。でも「年齢・性別・職業を設定する」だけでは、どうも平板になりがちな気がしていました。

試すとしたら、こういう切り口が面白そうかもしれません。

  • 「何に悩んでいるか」よりも「何に気づいていないか」を考える — 一般的なペルソナ設計は「悩みを解決する」に寄りがちですが、読者がまだ言語化できていないことを代わりに言語化してあげる Newsletter は、代替が効きにくそうです。
  • 「読んだあとに誰かに話したくなるか」で測る — 読者が「これ、友達に送りたい」と思える記事かどうか。開封率よりシェア意欲に焦点を当てる考え方は、ニッチ Newsletter に向いている気がします。
  • 「自分が5年前に欲しかった情報か」で絞る — 自分の過去の自分を読者に設定する方法は、リアリティが出やすいと言われています。書き手の経験と読者の解像度がズレにくいのがよさそうです。

まだ仮説です。でも、悪くなさそうです。


実際にあるらしいニッチ Newsletter の事例、3つ

調べていて参考になりそうだった方向性を3つ挙げておきます。いずれも「これだけ絞るの?」というくらい対象を狭めているのが特徴です。

1. 地域×職種の掛け合わせ型
たとえば「地方在住のフリーランスデザイナー向け」のような、属性を2軸で掛け合わせるパターン。対象人数は少なくなりますが、その分「自分のことを書いてくれている」という感覚を持ってもらいやすいようです。

2. フェーズ限定型
「副業を始めて最初の半年だけ」「転職活動中だけ」など、特定の期間・状態にいる人だけを対象にする方法。読者のフェーズが変わると卒業するかもしれませんが、まさにそのタイミングにいる人への刺さり方は深くなりやすいそうです。

3. マニア指数の高い趣味 × 実用情報の組み合わせ
たとえば「キャンプ道具好きだが整理整頓が苦手な人向けの収納 Newsletter」のような、趣味と課題感を重ねる構造。ニッチすぎるように見えて、刺さる人はかなり熱量高く反応してくれるケースがあるようです。

どれも「そこまで絞るか」と最初は思いました。でも読み手として考えると、「あ、これ私のことだ」と感じる瞬間の快感は確かにあります。


Organized flatlay of notebooks and pen for planning New Year's resolutions.

最初の100人、どこから集めるんでしょう

ペルソナが決まったとして、そこからどう読者を集めるか。これが一番手が止まりやすい部分かもしれません。

整理してみると、こういうステップが考えられそうです。

  1. SNS のプロフィールに「誰向けか」を明記する — フォロワーが少なくても「○○に困っている人向けに Newsletter 書いています」と書いておくだけで、ペルソナにあった人が引っかかりやすくなる気がします。
  2. コミュニティで「課題感の言葉」を使った投稿をする — 読者のペルソナが集まりそうな Discord や Slack、Slack コミュニティなどで、ペルソナが感じていそうな課題感をそのまま投稿してみる。「それ、私も思ってた」という反応が来たら読者候補です。
  3. 最初の10〜20人は直接声をかける — 広告や自動流入を狙う前に、「こういう Newsletter 始めようとしていて」と直接話せる人にフィードバックをもらう段階が大事、という話は複数の Newsletter 論者が指摘しています。

ちょっと欲張りかもしれませんが、「ペルソナ設計 → 最初の10人 → フィードバックで言語化を磨く → 次の90人」という順番が、個人運営には向いていそうな気がしています。

自動化や広告で一気に集めようとする前に、この泥臭い段階を飛ばさない方がいいかもしれません。これ、自分でも忘れがちです。


Open notebook with a pen on a wooden desk beside a laptop

整理してみて、次にやりそうなこと

書きながら整理してみると、「絞り込むこと」への抵抗感は、実は「減ることへの恐怖」ではなく、「絞り込んだ自分の言葉が刺さるかどうかへの自信のなさ」 からきているかもしれない、と感じました。

ペルソナが決まれば書く内容も決まる。書く内容が決まれば、書き手自身の輪郭もはっきりしてくる。

そういう順番で考えると、読者設計は「誰に届けるか」の話でもあるし、「自分が何者かを決める」話でもありそうです。

実際に動かしてみたら、設計段階では見えていなかった壁がいくつか出てきそうではあります。「思っていたペルソナと実際の読者がずれる」とか、「絞りすぎて書くことが尽きる」とか。そのあたりは、また別のメモで整理できたらと思っています。


Cover photo by Suzy Hazelwood on Pexels
In-body photo by RDNE Stock project on Pexels

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